「介護医療院」で安らぎのある生活を

高齢者向け施設「介護療養型医療施設」が廃止された理由は?「介護医療院」とは

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なぜ廃止されたのか

介護療養型医療施設が廃止され、これに変わるものとして新設されるのが介護医療院です。では、どうして介護療養型医療施設が廃止になってしまったのでしょうか。

なぜ廃止されたのか

2017年に廃止

介護療養型医療施設は2017年度末で廃止となりました。対象となった病床数は、介護療養病床で6万床、医療療養病床で7万6,000床です。介護型と医療型の病床を制度で分けたはずが、実質的には差がない状態で、医療ケアを必要としていない多くの高齢者が介護療養型医療施設を利用しているという状況が問題視されました。医療費の使い道を是正するため、医療構造改革を国が発表したのが2006年。当初は2011年度で介護療養型医療施設を廃止し、2012年度から新施設への移行が始まる予定でした。しかし、施設側の受け入れ態勢が整わず、やむなく2017年度末まで延期されることとなりました。

医療ケアを必要としない高齢者の入所が問題

自立度を表すADL区分には、自立度の高い順に1から3までの区分があります。介護療養型医療施設の入所者の区分は「3」がほとんどということからも、入所者の自立度の低さがわかります。医療の必要性を表す医療区分にも、必要性の高い順に1から3まであります。では、介護療養型医療施設に入所している人の医療区分はどうなっているかというと、最も医療区分の低い「1」の高齢者がほとんどです。つまり、介護の必要性は高いものの、医療の必要性は極めて低い高齢者が介護療養型医療施設に入所しているというねじれが生じていたのです。医療ケアを必要としない高齢者が介護療養型医療施設で生活していると、本来なら必要ないはずの医療ケアを受ける機会が増えます。医療費が増え続けている背景には、こうした医療費の無駄遣いが関係しているという声も多く、一刻も早い改善が必要と考えられるようになりました。

なぜねじれは起きたのか

介護療養型医療施設に入所している人の中で医療ケアを必要としない人の多くは、しかるべき行き場が確保できない状態です。身寄りがいない人や老老介護、家族の介護が困難など、家庭の事情を理由に施設に留まってしまうのです。

受け皿はどこにあるのか

今後は、介護療養型医療施設のねじれを解消するため、新たな施設がその機能を引き継ぐことになります。想定されているのは、看取りやターミナルケアを含む医療ケアを必要とする高齢者の長期療養施設、容態が安定している高齢者の長期療養を目的とした施設、介護や医療ケアの必要はあるものの容体は軽い高齢者の療養を目的とした3つのタイプの施設です。受け皿となる施設やサービスについての議論はこの先も続き、介護と医療の振り分けが進められて行く予定です。

介護医療院での仕事に興味のある人へ

介護医療院で求められる人材は?

介護医療院では、介護や医療のさまざまな分野で働く人の割合が決められています。介護職の場合、入所者1人に対してI型なら5人、II型なら6人です。介護医療院に向いているのは、観察力や協調性があり、職場の仲間とのコミュニケーションが円滑に取れる人です。また、看取りについての知識を取り入れておくことも大切です。看取りにおいて大切なのは、終末期にある入所者の尊厳を第一に考えて介護に取り組むことです。

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